アクリル画と墨画

“ポートランド ~秋~”

ちょうど中国墨画と同時(というか交互)にこちらのアクリル画を描いていたのですが、アクリル画の方が途中からちょっと様子がおかしくなってしまい遅々として筆は進まず、気づいたら季節は冬を越えて春。


いやー、墨画とアクリル画って当たり前だけど本当に違う。技法も違うけど、精神構造がとてつもなく違う。


技法の方から言うと、アクリル画は絵の具をたくさん使ってキャンバスの白いところを埋めるように描いていきます。キャンバス地のままの白いところは基本残しません。


墨画はと言うと、どこで描くのを止め、どれだけ空白を活かせるか、どれだけ少ない筆数で描ききるか(どれだけ描かないか)、がとても重要です。


これ、言葉で聞くと当たり前だし、わたしもそんなの当たり前じゃん、と思っていました。


でも実際両方を交互に描いてみて、いかに真逆の精神構造そして美観なんだろう、ということを改めて実感したのです。


いわば、墨画は瞬間勝負です。


その時の一点に気を集中して描く感じ。


なのでその時その時の即興性もあってそこが面白い。


そして、作品が仕上がるのがめちゃくちゃ早い。


失敗したらまた一から別の紙に描き直すしかない。やり直しは効かない。


それに比べてアクリルは(油絵はさらに)、時間がかかります。


時間がかかるだけではなく、これは描き慣れているのもあるかもしれませんが、頭のなかでかなり計画して順序立てて描いていきます。


絵の具が乾くまでに時間がかかるので、まず最初にここに色を入れて、乾いたら次はこれ、次はこれ、といったように。


とても構成的です。


「瞬間」と「即興」の墨画に対し、「時間」と「構成」のアクリル、という感じでしょうか。


今のわたしには墨画の方がしっくりきます。


墨画の方が、そこに流れている空気感が出せるというか。アクリルはなんだか絵のなかに時間を止めてしまっている感じがするんです。技術が足りないせいですかね。


とはいえ、アクリルのカラフルな色使いもやっぱりいいなとは思う。両方をうまく合わせたような画風が出せたらいいのかな。

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