3口残す男

日本人ですのでもちろん、出されたお食事はきれいに残さずにいただくべし、と言われて育ちましたし、それを礼儀、美徳として生きてきました。


そんな常識をくつがえす出来事が起こったのは、わたしが25歳、はじめてキューバを訪れたときのことです。


時は1998年。キューバが「スペシャル・ピリオド」という国民全員餓死寸前と言われるほどの最も苦しい状態に追い込まれていた時期(1994年前後)からようやく立ち直り始めたころ。


キューバ人と一緒にお食事をいただく場面で、大人も子供も出されたものを平気で残しているではありませんか!これには驚きました。えー、食べるものが十分でない国なのに残していいんだ、と。


キューバ人にとっては出された食事を残すのは別にお行儀が悪いことではなく、また「もったいない」という意識もないように見えました。


一方そんなキューバ人、訪問先のお宅で「夕飯食べる?」と聞かれても、たとえ嘘でも「もう食事してきたから」と言って断るのが礼儀。これ、彼らなりの美徳のようです。


わたし的には、せっかく勧められたらお腹空いてなくてもいただくのが礼儀かな?と思ってしまうのですが、キューバでは逆です。さらに、同じ空間にいて一部の人だけが食事している状態ってなんだか変な気がしたのですが、彼らには別に普通なことのようでした。


どの家も自分の家族が食べるギリギリの食料でやりくりしているのを知っているから、たとえ何も食べていなかったとしも「もう食べてきたから」と言って断るのが礼儀、というわけです。また聞く方も、断られるのがわかった上でそれでも一応聞くのが礼儀、とされているようにわたしは理解していました。


ところ変われば礼儀も変わる、です。


ちなみにキューバでは大抵のお宅でコーヒーを出してくれます。濃くて甘くてとっても美味しいキューバンコーヒー、これは遠慮なしにいただけます☕


次に、旦那さんがフレンチカナディアンのお母さんから教えられたお行儀のよい食べ方とは「最後の一口を残す」というものだったそうです。


最後まできれいに食べてしまうと、シェフ(お料理を作ってくれた人)に「あれ、足りなかったかな?」と思わせてしまう。シェフに「十分にちょうだいいたしました」ということを伝えるためにも、ひとくち残すのが礼儀だ、と教えられたそうです。


ここもまた違った文化でおもしろいですよね。


ところで、我が家には「3口残す男」がいます。飼い猫のビッチョです😺

3口残す男、ビッチョ


体格のよさとは裏腹に、とても品がよくて食べ物には決してがっつきません。


いつもはキャットフードのみですが、たまに好物のチーズをあげても、最初の2口ぐらいは喜んで食べますが、調子に乗ってあげすぎると3切れほど残してスッとその場を去ってゆきます。


旦那さん曰くビッチョは前世貴族だったに違いない、とのこと。


言われてみればそんな風貌と風格があるような気もします。3口残すのはビチョなりの美徳なのでしょうか。いやぁ、惚れます💕

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