画力はいつどのように向上するか


アロハ!こちらは直近の作品「コオラウ山脈とカネオヘ湾」です。大体10日ぐらいで仕上げた感じでしょうか。最初のタッチがこちらです↓

最初はざっとした輪郭を描いて、下塗り的にベースになる色を入れ、キャンバスに油を馴染ませるのが初回塗りです。油絵の良いところは重ね塗りをし、徐々に深みを足してゆけるところ。2回目、3回目と色を重ね、細かい描写に入ってゆきます。私はこの細かーい部分を描き足してゆくパートが大好き。「神は細部に宿る」のは本当です。でもね、実はこの細かい繊細な部分を描き込むパートがこんなに楽しくなったのは、40代で絵を再開してからなんです。

幼稚園の時から絵画教室に通い始め、最初に油絵を描いたのは確か小学3年生ぐらいの時。通っていた絵画教室の先生に油絵がやりたいとお願いして始めてみたものの、難しくてちっとも上手に描けませんでした。中学校に上がる時に先生は変わりましたが絵画教室には通い続け油絵は続けていました。それでもやっぱり自分ではちっとも上手くならないなー、と思いながら描いていました。

大学入学と同時に絵から離れ、それ以降ずっと描いていませんでした。40歳の時ハワイへ引っ越してから再度絵筆を握るようになり、今に至ります。ですので40代で絵を再開するまでは完全なる空白期間なのですが、なぜか昔と比べて画力が格段に上がっているような感覚があります。20年以上のブランクを経て再開してみたら前より上手く描ける、って何それ?という感じなのですが、その理由を私なりに考えてみました。

ひとつは、ちゃんと「待てる」ようになったことがあると思います。基本的には、油絵は完全に乾いてから次の絵の具をのせないと色が混じって汚くなりがちです。当時ももちろん理解はしていたし、待っていたつもりですが、「つもり」なだけで完全には待てていなかったんだと思います。なんとなく待って、なんとなく乾いてるかな、という状態でなんとなく描いていた、というか。

上記の「なんとなく描いていた」さらに言えば「ぼんやりと描いていた」の一言に集約されるのですが、つまりは魂の入れ具合。当時の若かりし日の私が絵を描いていた時の心理状況は、これまた一生懸命描いている「つもり」だったのですが、若いだけあって常にありとあらゆる関心事やら心配事やらがあって気もそぞろな部分が多かったように思うのです。なんでもそうですが、やはり魂を入れて丁寧に愛を注いであげないといいものは育たない。そういう心の状態をあの頃の私は持っていなかったし知らなかった、というのは大きいと思います。今思うと、一本の木を描くのでさえ、相当細かく愛情を持って観察しないと描けやしないのです。それを、ぼんやりとした心でなんか上手く描けなかったのも無理ないなぁ、と思うわけです。

絵の上達のためには、デッサン力を上げること、頭と実践で理解し技術を上げること、そしてとにかくたくさん描くこと、だと思います。そしてその全ての核にあるのが心の部分。心が整い、心も時間も絵に注ぎ、技術を上げ、数こなしてたくさん描きながら、画力は向上してゆくのだと思います。心を整えクーっっと集中して仕上げていく感じ。絵を描くことは今の私にとって、まるで「禅」のようであります。

皆さんにとっても思い当たることってありませんか?小さい子供の頃、好きだったけど自分で勝手に「自分には才能ないから」みたいに思っちゃってたようなこと。興味を持って始めてはみたものの上手にできないからつまらなくなってすぐに辞めてしまったお稽古ごと。それってもしかしたら、単なる思い込みかもしれませんよ。始めたタイミングが早すぎただけかもしれません。大人になった今、もう一度始めてみたら当時とは全く違った景色が見えるかもしれない。大人になるって本当に素敵。人生のミラクルだと思います。思い当たることがあって、もしまたやってみたいな、という気持ちがあるのだとしたら躊躇せずにもう一度挑戦してみてください。大事な時間や感覚に出会えるかもしれません。

MAHALO! 💕

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です