夕焼け新聞5月号掲載『60th Merrie Monarch Festival』

ハワイ島からブログ発信中。こちらは米国オレゴン州月刊コミュニティ紙『夕焼け新聞』2023年5月号に掲載されたコラムの全文です。

************************************************

温暖な気候で知られるロサンゼルスに雪や雹(ひょう)が降って住民を驚かせ、ポートランドでは観測史上2番目となる28センチの積雪に見舞われたアメリカ西海岸。そんな厳しい冬を経て今頃はきっと美しい花々が咲き乱れ、街中がカラフルに色付いている頃ではないでしょうか。

ハワイ島も、花々の甘い香りが漂う季節となりました。わたしが暮らすハワイ島ヒロの春の風物詩といえば、毎年イースターサンデーから1週間に亘って開催されるフラの祭典「メリー・モナーク・フェスティバル」(以下メリーモナークと表記)。ハワイ全島はもとより、世界中から多くのフラ愛好家が集い、ヒロの街の人口が一気に膨れ上がる一週間とも言われています。特に今年は第60回目となる節目の年、また3年ぶりの規制なしフル開催ということもあって大きな盛り上がりが予想されていました。

フェスティバルの中核は3日間に及ぶフラ競技会ですが、それ以外にもメリーモナーク・ウィーク期間中はヒロ市内の複数の会場で地元ハーラウ(フラスクール)によるフラのステージが連日催され多くの人で賑わいます。そして私自身、今年はなんと観客としてではなく、昨年5月に所属したハーラウの一員、ステージの上でフラを踊るダンサーとして参加することとなったのでした。

実際に「やる側」になって体験した初めてのメリーモナーク。ダンスの振り付けを覚えるだけでは到底ない、ダンスよりももっと大きな部分を占めると言ってもいい衣装、花飾り、小道具やヘアメイクに向けた諸々の準備。いや、単に「準備」というだけでは表しきれない何かメリーモナークへ向けたハーラウ全体、ヒロの街全体の一体感や情熱というものは、「やる側」になってみて初めて体感できるものでした。

大切な準備の内のほんのひとつに、ティリーフスカートの制作がありました。ティという植物の葉を使ったスカートを着て踊る曲が一曲あり、そのためのスカートをダンサー自らが手作りするのです。まずはティの葉の採取から開始。私は背が高いので大きな葉を選んで100枚ほど採取し、きれいに洗って乾かします。次に葉の芯の部分を取り除く作業を経て、一枚一枚の葉に紐を通してスカートにします。その後は、湿らせた新聞紙とタオルにくるんで本番当日まで冷蔵庫で保存です。毎日葉が乾いていないかチェックして、乾いていたら霧吹きでシュッシュッと湿らせ、大事に大事に扱って本番の日を迎えます。

自宅前庭に育つティ

このように愛情を注いで出来上がったティリーフスカートからは、確かに何かエネルギーのようなものを感じました。ハワイで言うところの「Manaマナ」を感じたのです。ハワイの人々は「マナ」=「神秘的な力の源」としてとても大切に思い、敬い、尊重し、マナと共に暮らしています。目に見えない力であり、スピリチュアルかつ超越したエネルギーであるマナ。

制作過程のティリーフスカート

ハワイでは古代から全ての物、全ての生命にマナが宿ると信じられています。海や山や草木や太陽、雨や虹といった自然はマナで溢れ、もちろん人間にもマナが宿ると言われています。そして以前にもこちらのコラムで取り上げた、ハワイに伝わるホ・オポノポノと呼ばれる習慣。ホ・オポノポノは日々起こる様々な事柄や感情(ポジティブもネガティブも含めた全ての思い込み)をクリアリングしていき、本来のあるがままの状態(Ponoポノの状態)にリセットすることを目的としています。このポノであることが、マナに溢れた状態へと繋がります。つまり、ありのままの状態(ポノの状態)、思い込みや記憶をクリーニングした本来の自分自身であることこそが、マナを輝かせる唯一の道だということ。

さて、肝心の踊りはどうだったでしょうか?私はありのままの状態(ポノの状態)で舞台に立つことができたでしょうか?結果は、自分の立ち位置や、振り付けや、衣装やメイクのことが気になり、「どう見られているか」ということについ気が行きがちで、ポノとは程遠い状態だったと言わざるを得ません。

それでも、自分で手作りしたティリーフスカートから溢れ出るマナのエネルギーを感じたように、すべては「どう扱われるか」次第。心を込めて大事に日々を生き、身の回りの人や物を大切に扱い、何よりも自分自身を大切に扱うことでありのままの自分自身(ポノの状態)へと一歩一歩近づいてゆく。今回初めて身をもって体験したメリーモナークは、そんな大切なことを教えてくれました。

Hālau Nā Pua O Uluhaimālamaのメンバーと

トゥシグナント 知佐子 

chisakolife.com

東京都出身、2013年米国に移住。オアフ島、ロサンゼルス、ポートランド(OR)を経て現在はハワイ島ヒロ在住。数秘セッションと絵画制作 マナアートハワイ manaarthawaii.com・ハワイ島ヒロ自宅でのAirbnb airbnb.com/h/hilosunrisesuite 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です